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私は21歳の時に卵巣嚢腫が見つかり、全身麻酔にて手術を受けました。女性であれば誰でも可能性がある卵巣嚢腫。『他人事ではない』と思い知った当時の心境や検査、そして手術の事をお伝えすることにより、卵巣嚢腫の早期発見に繋がればと思います。

<プロフィール情報>

【ペンネーム】くろぺちーの

【年齢(性別)】28歳(女性)

【発症年齢】21歳

【出身】茨城県

【職業】フリーター

1)卵巣嚢腫とは?原因と自覚症状

【1】当時の自覚症状

当時21歳の私には全く自覚症状がありませんでした。卵巣嚢腫は個人差もありますが肥大化してからでないと主だった症状はないと言われています。

私の場合も、生理痛がつらくなったり、経血の量が増えたり、不正出血だったり女性特有の疾患を疑わせるような症状は全くなかったのです。

【2】そもそも卵巣嚢腫とは?

卵巣とは他の臓器よりも嚢腫が出来やすい場所だそうです。原因は毎月の生理です。毎月、左右交互の卵巣から卵子を子宮へ送ってくれる臓器ですが、これは2か月に一回、卵巣の壁を破り卵子を排出しているのです。

そしてそれは初潮を迎えてからずっと繰り返されているのです(妊娠中を除く)。つまり2か月に一度卵巣はダメージを受け続けダメージを繰り返していく内に異常がある細胞が生まれてしまう事があります。それが嚢腫の発生です。

【3】当時の生活習慣

当時私は家族5人と住んでおり、とても規則正しい生活を送っていました。体重は41kg(身長は153㎝)で特に肥満体型だった訳でもありませんでした。飲酒も月に1回程度、タバコも吸っていませんでした。

また家族や親戚に女性特有の疾患になった人もおらず、自分が卵巣嚢腫という病気になっていたとは露ほども思っていませんでした。

2)自覚症状がないのになぜ発覚した?発覚してからの検査

【1】最初に書いた通り私には自覚症状がありませんでした

ではなぜ卵巣嚢腫を発見出来たのか。私は昔からストレスが胃腸に来るタイプで吐き気と下痢が酷く、病院にかかりました。腸の状態を診るためにお腹に超音波を当てたとき、先生が「右の卵巣が腫れているね」と念のため院内の婦人科受診を勧められ、そのまま婦人科で内診と膣内超音波を受けました。

結果、右の卵巣に3.3㎝の嚢腫が出来ている事が分かりました。このように私が卵巣嚢腫を発見出来たのは当時腸炎になり超音波検査を受け、偶然見つかったのです。

【2】卵巣嚢腫だと通告された当時の心境

当時は卵巣嚢腫に対する知識がなかったので、『嚢腫ってつまりなんなの?ガンの可能性もあるの?なんで私が?私何か悪い事した?』と、考えても仕方のない事ばかり浮かんできました。

家族に言うときは、私はとても冷静であっけらかんと伝えました。今から思えば不安になっている自分を受け止める事も出来ないほど私は不安になっていたのだと思います。

【3】手術までの検査

私の父は肝臓がんでした。当時も通院していたので父に相談すると、父が通院先の看護師さんに婦人科が有名な病院を聞いてくれており、私は父に勧められた「東京医科大学茨城医療センター」紹介状を書いて頂きました。

3)検査・手術を受ける前に気を付けていたこと

【1】すぐに手術日が決まった

紹介状を持ち東京医科大学茨城医療センターへ行きました。家族は全員仕事だったので大きな病院、それも初めて行く病院だったのでそれだけでも精神的に負担でした。やはり膣内超音波検査を行い、ここで嚢腫の種類が判明しました。

卵巣嚢腫には様々な種類があり一番多いのは漿液(しょうえき)性嚢腫、これが卵巣嚢腫のほとんどを占めています。このタイプであればホルモン剤の治療でこれ以上大きくならないように薬物療法も可能だったのですが私の嚢腫は〔成熟嚢胞性奇形種〕という物で嚢腫の中に歯や毛髪が存在しているタイプでした。

可能性の話になりますが、このタイプは放置し続けると悪性(がん化)になる場合があるということですぐに手術を決心しました。一回目の診察ですぐ手術日が決定しました。約3週間後の水曜日でした。手術を受けるにあたり様々な検査が必要で手術まで、来院の予約を全て取らせて頂きました。

【2】手術までの検査

手術までの一か月間どのような検査をしていたかと言うと、血液検査・心電図・肺の異常がないか胸部レントゲン・腹部レントゲン・呼吸機能検査を行いました。

一番精神的につらかった検査はもちろん内診です。まず女性なら一度は経験があると思われる内診台の格好ですね。そしていくら潤滑液を塗ったところで器具を挿入されるのは痛みもあり恥ずかしさもありつらかったです。体力的につらかった検査は呼吸機能検査です。

限界まで息を吸い、それを一気に吐き出す。それを何度か繰り返すのですが、本当に全力で息を吐きだすので相当なエネルギーを使ってしまいました。

【3】手術日まで風邪等引かないように気をつけた。

特に医師から指示があったわけではありませんが、手術にかなりの恐怖心を持っていたのでとにかく食生活に気を付けました。免疫が下がらぬようにストレスをなるべく溜めぬように気を遣い、野菜や発酵食品をよく摂るようにし、万全の状態で手術に望みました。

4)受けた手術・術後とリハビリ

【1】手術前

私は手術の前日のお昼から入院しました。お昼ご飯は出ましたが、夜から絶食でした。水分は当日の朝まではOKだったので空腹を感じたときは麦茶など水分で誤魔化したり、シャワー室や売店を確認したりして過ごしていました。

【2】腹腔鏡下手術

私の嚢腫は3.3㎝だったので腹腔鏡下手術が可能でした。6㎝を超えると開腹手術になっていたそうです。腹腔鏡下手術とは少しの切開で済むので患者の負担が少なく術後から回復までの期間も短い手術方法です。代わりに高度な技術が求められます。

その手術方法とは、まず全身麻酔をしてからおへそのすぐ下に穴を開けます。次に下腹部(おへそから10~15㎝程下)にも穴を開けます。その二つの穴に一本の棒を通し、お腹の皮膚を持ち上げます。そして嚢腫がある卵巣付近を3㎝程切開しそこから嚢腫部分のみを切除、という感じです。イメージ出来たでしょうか?

私は過去に盲腸で右の下腹部に傷があったので、傷が増えないように同じ場所を切開してくださいました。私は手術服に着替え、点滴をガラガラ引きずりながら看護師さんと共にオペ室まで向かいました。

事前に「麻酔から覚めるときに好きな音楽を流せるけど何がいい?」と聞かれ、私は大好きな「ディズニー」をお願いしたのですが、既にオペ室にはディズニーの音楽が流れていて手術前のとても不安な気持ちが少し和らぎました。

ちなみにアロマも選ばせていただき、お気に入りのオレンジスイートに。ベッドに横になり、点滴をしていない腕には自動で血圧を測る装置や、指にも血液中の酸素濃度を測る装置を取り付けられ、緊張はマックスでした。

画面に映し出される私の脈も速く鼓動していました。準備が終わると「眠くなるお薬入れるからねー。数字声に出して数えてねー。」と点滴から麻酔を流されました。私は指示通り「いーち、にーい、さーん」と数えて、3からの記憶はありません。

「終わりましたよー」と起こされた時にはディズニーの音楽とオレンジスイートの香りがして『あ、終わったのかぁ・・』と心底ホッとしました。

ベッドのまま部屋に戻り、ものすごく眠かったので私はそのまま寝ていたのですが、術後3時間程経過し、麻酔が完全に切れた頃腹部の激痛で起きてしまい、鎮痛剤をもらいました。それから痛みとの闘いです。

更に血栓予防のため、ふくらはぎを自動でマッサージしてくれる装置もつけていたのですが夜だと音が気になり、あまり眠ることは出来ませんでした。それから尿道に管が入っている感覚も慣れずひたすら変な感じがしていました。

【3】術後・特に大変だったこと

術後の翌朝には点滴以外の全ての装置が外れました。担当医には無理のない程度にたくさん歩いた方が良い。と言われていたので歩こうと体を起こしたのですが、体の姿勢を変えるたびに体の中で何かが動く感じがしてとても気持ち悪く、体を起こしたり立ち上がったりが非常に苦痛でした。

術中、お腹の皮膚を上げたときに中に空気が入ってしまうので、腹腔鏡下を受けた方はまずこの空気の動きの気持ち悪さに苦しめられてしまいます。ただあまりに気持ち悪く、痛みに鈍感になったので術後は痛みで苦しむというより

気持ち悪さに苦しめられました。しかし一度立ち上がってしまえば空気があまり動かないので一度立ったらしばらく立ったり座ったりしなくてもいいように歯磨きや売店、テレビカードの購入など一気に済ませ、後はただ横になっていました。

【4】入院中の失敗談

週末に家族が見舞いに来てくれた時の事。父がシュークリームを買ってきてくれました。実はまだ私は流動食のようなものしか食べておらず、固形物の許可は出ていませんでした。が、目の前に現れた美味しそうな大好きなシュークリーム・・・食べちゃいました(笑)

結果、家族が帰ってからお腹を壊してしまい、『指示はちゃんと守ろう・・』と自分に誓いました。でも本当にあの時のシュークリーム、特別に美味しかったです!

5)家族と職場からのサポート

【1】帰ってからも大変?!家族の支え

5泊6日入院して、退院当日は母に迎えに来てもらい、無事に家に帰ることが出来ました。気持ち悪さは入院中たくさん歩いて大分良くなりましたが、やはり切開したお腹の傷は痛むので、主に母がサポートしてくれました。

わが家では猫を飼っているのですが、退院後しばらくは猫の世話やその他家事は母がやってくれて、私は安静に過ごす事が出来ました。大変だったのはお腹に力が入ると痛むので、笑うともれなく痛みが襲います。しかし家族といるとやはり楽しい事も多く、弟たちと大爆笑をしては激痛で叫んでいました。

ただ、激痛が伴っても〔笑う〕というのは心身ともにとても気持ちがいいものでした。入院中は面白い番組を見ても、同室の方に気を遣い大笑いすることなどはなかったので家族と、猫と過ごせる事に幸せを感じました。

【2】優しい職場でした

私は物流会社の事務員でしたがパソコン作業だけではなく、備品の管理や掃除なども行っていました。しかし退院直後は次の通院日まで歩くこと以外は安静にするよう指示があり、事前に社長に相談し2週間もお休みをいただいてしまいました。

しかし、他のスタッフ達が私の仕事をフォローしてくれていたので復帰後、残業続きになることはありませんでした。重たい物を持たなくて済むように、皆手助けしてくれました。発覚当時は女性特有の疾患だったので、男性スタッフには言いづらくてなかなか話せませんでしたが、今では正直に話して良かったと心の底から思っています!

【3】検査から通院が終わるまで・・お金はどのくらい?

最初に発覚した病院に紹介状を書いて頂いたので、東京医科大学茨城医療センターでは選定料はかかりませんでした。手術まで検査などで通院していた時は平均して毎回5000円~8000円程かかった記憶があります。4回検査などで通院したので手術の前に2、3万は必要だと思います。

手術は入院が伴うので、あらかじめ高額医療限度額適用認定をもらっておきました。当時医療費は約8万までで済みました。しかし食事や差額ベッド代は限度額には含まれないので限度額プラス2~3万は考えておいた方がいいかと思います。

あとはテレビカードを購入したり飲み物を購入したり入院中も何かとお金がかかってしまいます。ただでさえ病気で不安な時にお金の心配はしたくないですよね!もし入院や手術の予定がある場合は高額医療限度額適用認定を用意しておくことがおすすめです。

退院後も傷の様子を見せに一度だけ通院しましたがこの時生命保険の診断書もお願いしていたので1万程かかってしまいました。現在は高額医療限度額も収入に応じて5段階ありますので、まずは自分の収入がどの段階の限度額に当てはまるのか調べておくことをおすすめします。それから入院までに生命保険関係の書類を揃えておくと何度も病院へ足を運ぶ手間が省けます。

6)7年経過・・闘病生活を経て感じていること

【1】闘病から7年経った今

今は手術したことすら分からないくらい傷が薄くなりました。切開の傷は残っていますが穴の跡は消えています。ただ急に寒くなると切開の傷が痛むことがありますが、温めると少し楽になるので日常生活に支障は全くありません。

年に一度超音波検査で卵巣の大きさを診てもらって再発していないかチェックするくらいです。(再発の可能性は低いものの、0%ではないので。)

【2】闘病生活を振り返って

当時はやけくそな気持ちになる事が多くありました。なんで私なのだろうと考えてしまっていましたが、今では別の角度から考えられるようになりました。今でも嚢腫を防ぐ方法等は確立されていません。しかし私の場合は本当に偶然に見つかり、がん化する前に切除する事が出来ました。

もし、あの時腸炎になっていなかったら私は卵巣嚢腫に気が付かずに知らない間に大きくなっていたことでしょう。卵巣嚢腫、そして全身麻酔を経験した事で『失敗しても何事も経験だ』という考え方が出来るようになりました。

確かに病気になっていい事などありません。しかしその立場にならないと見えてこない景色もありました。看護師さん・担当医の気遣いや家族の支え、職場の暖かさ。これらは私が卵巣嚢腫になっていなかったら分からなかった事です。

そして一番大きなことは、卵巣嚢腫と診断された方、これから手術の予定がある方の気持ちに〔体験者〕として寄り添う事が出来る事です。どんな逆境でも何かは必ず得られます!

【3】今、闘病中の方へ。そして全ての女性の皆様へ

卵巣嚢腫は初期症状が少ない病気です。私の様に症状が全くない場合もあります。だからこそ、もし体に異変を感じたら必ず病院で検査を受けてください。確かに病院の検査はとても嫌ですよね。それに何もなかったらお金がもったいない。そう思うかもしれません。しかしそのお金で安心を買ったと思えば高くは感じないと思います。

『もしかしたら・・・』と悩んでいてはストレスが溜まってしまいますよね。それを数千円で安心に変えられたら、それ以上に最高な事はないのです!

卵巣嚢腫の手術はたいがい全身麻酔です。自分の意識が全くない状態になる、それはとても怖い事だと思います。不安でいっぱいだと思います。でも止まない雨がないように、その不安も恐怖も必ずいつかは『経験』に変わります。女性として恥じる事も価値が半減することも、全くないのです。

ちなみに卵巣嚢腫で妊娠が難しくなる事はほぼありません。私は嚢腫のみの切除と卵巣ごと切除して再発の可能性を0にするか迷い結局は温存しましたが卵巣は2つあるので卵巣ごと摘出しても残った片方が補ってくれます。当時私は姉と母にひたすら愚痴って不安な気持ちを発散していました。勇気が必要かもしれませんが、身近な人に頼ってみてはどうでしょう。

まとめ

【1】卵巣嚢腫とは女性なら誰でもなり得る疾患

【2】初期症状は全くない場合もあるので定期的に検査に行くことが大切

【3】妊娠に不安がある人は担当医に必ず相談して不安を消してもらいましょう

【4】お金も大事。生命保険と高額医療限度額認定を調べ、用意しておく

【5】弱気になっている時ほどポジティブになりましょう

【6】他人事だと思わずに身体からサインが出たら必ず検査を

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