【腎臓癌】発見から治癒までの私の実体験

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この度、私が体験した腎臓癌の発見から治癒に至るまでの経緯を、皆さんにお伝えすることで、検査の大切さと病気に向き合う心の推移を少しでも知っていただけたらと思います。

<執筆者情報>

【ニックネーム】SAKURA

【発症年齢】48歳(女性)

【現在の状況】治癒

【出身】北海道

【肩書き】会社員

1)腎臓癌発見

【1】腎臓癌 発見時の生活は?

腎臓癌がみつかったのは、会社の健康診断で受けた腹部超音波検査でした。元々持病もなく、いわゆる普通体型です。喫煙もせず、お酒も弱いので飲酒もしません。自分では健康的に暮らしていると思っていました。

【2】原因はあるの?

私の場合は、特に原因らしい要因はありませんでした。また、慢性腎臓病とも違うので、血液検査での腎機能の低下もありませんでした。

2)癌発見まで

【1】健康診断

いつもは、ごく一般的な内容の健康診断でしたが、たまたまその年は腹部の超音波検査も行いました。今まで、健康診断で指摘を受けたことはなく、もちろん自覚症状は何もありません。軽い気持ちで検査を受けました。しかし、いざ検査が始まると臨床検査技師さんが左の脇腹を入念に観察し、右側と比較するかのように画像を何度も確認しています。 「あれ?何かあるのかな・・・」ふと、不安がよぎります。

健康診断後の診察に入ると、先生から「左の腎臓に腫瘤があるね、今日詳しい検査をしようか?」と言われました。しかし、私は「症状も無いし、私は大丈夫」と、何の根拠もないのに大丈夫と決めつけて追加検査を希望しませんでした。先生は「造影剤を使ってCT検査をした方がいいよ。いつでも紹介状を書くからね。」と言ってくださいましたが、私は「はい。有難うございます。」と言って そのまま診察室をあとにしました。

しかし、追加検査を断ったものの、「左腎臓の腫瘤」が脳裏から離れません。私は、帰宅後に早速インターネットで「腎臓・腫瘤」で病気の検索をしました。腎臓の腫瘤には、腎血管筋脂肪腫(オンコサイトーマ)という良性の腫瘤と腎細胞癌があることがわかりました。

【2】病院での検査

「脂肪腫なんじゃないかな。」と自分に言い聞かせてはみるものの、何の確証もなく不安は消えません。私は長くお仕事で御一緒させていただいていて、信頼している内科医の先生に受診し、造影でのCT検査をお願いしました。

診察では、先生がCT画像を前に説明をして下さいました。私も一緒に画像を見ました。左右の腎臓の状態が明らかに違う画像です。左腎臓の腫瘤を凝視してしまいます。その時先生が「これは、おそらく腎細胞癌ですね。ここの病院ではこれ以上できることはないので、紹介状を書きましょう。いつ受診できますか?」と、私に言いました。

その時の私は、先生と会話をしていますが、頭の中がぼんやりしていき、思考が止まっていました。 「ほんとに癌?」という気持ちと、「やっぱり癌だったんだ。」という気持ちが入り混じっていたように思います。その後、次第に「なんで私が癌になるの?」という気持ちが膨らんでいきます。

後日、紹介先の大きな病院へ受診しました。問診を受けた後、ここでも腹部超音波検査を行い、血液検査を行いました。初回の診察時に「腎がんと診断されたら」というパンフレットもいただきました。後日、数日に分けてCT造影検査、腎シンチグラフィ検査、腹部造影超音波検査を行いました。

検査をするにつれ、「まさか私が癌なんて!」という気持ちから、徐々に「そうか、癌になったんだな・・・」という気持ちへと移っていきます。時々「いやいや、違うってこともあるし」とも思いますが、自分が癌である可能性が高いという現実を、少しずつ受け入れていきます。

医師

3)手術前の状況は?

【1】予兆はあるの?

私の場合は、最初に受診した病院でも紹介先の病院でも、腫瘤の大きさは3cm程度と言われていました。自覚症状は全くありません。進行が進むと血尿が出るそうですが、そういったことも全くありませんでした。当時は、左の脇腹をさすりながら「ここに腫瘍があるなんて・・・右側と見た目は変わらないのに。」と不思議に思っていました。

【2】治療法について

全ての検査を終えてから入院の日程までは、受診もなくお薬での治療もありません。腎臓癌の治療は、進行の程度にもよりますが手術で腫瘍を取り除くことになります。腫瘍が小さければ、腹腔鏡での手術となり部分切除となります。大きくなっていれば、開腹手術で腫瘍のある腎臓を摘出します。腎臓は二つあるので、片方の腎臓が機能をカバーしてくれるそうです。肺転移など、他の臓器にも及んでいる場合は、それに準じた治療となるということでした。

4)病棟での入院生活

【1】手術前

入院すると、早速先生から検査結果からの病状説明がありました。私の腎臓の腫瘍は、80%が腎細胞癌で20%がオンコサイトーマという良性の腫瘍の可能性があるということでした。手術方法は、腹腔鏡下腎部分切除術です。入院期間は約2週間です。その後麻酔科医の診察など、手術に向けて準備が進んで行きます。

病棟では、まずは自分専用の計量カップを渡され、毎回の尿の量を計測するよう指示がありました。それと同時に、摂取した水分量も記録するようにと表を受け取りました。入院中の楽しみは食事しかなく、質素な食事でしたが毎食完食していました。

【2】手術当日

私の手術は午後からだったので、遠方から来てくれた母と談笑しながら過ごしていました。不安よりも、信頼した先生にお任せするという気持ちで、意外と落ち着いていました。手術室へは、看護師さんと共に徒歩で向かいました。

あとは、お任せするのみ。 ふわ~と意識が戻ると、私のベッドの周りに先生や看護師さんがいます。「大丈夫ですよ。無事に終わりましたからね。」と先生が声をかけてくれます。ぼんやりした中で、母が不安そうに私を見ているのがわかります。手術を終えて病室に戻っていますが、「居た病室と違う・・・」と気付きました。

どうやら個室に移っているようでした。気が付いたら私の周りはチューブだらけです。手には点滴の管が繋がれ、尿の管、患部のドレーンの管、背中の痛み止めの管。「手術が終わったんだ」と実感しました。

【3】手術後

吐き気がありますが、胃の中は空なのでひたすら黄色い胃液をガーグルベイスンに吐き出します。口腔内は、常にほんのり苦くて、手術前の唯一の楽しみだった食事が、全然食べたくありません。カップヨーグルトの半分も食べられなくなっていました。ご飯も食べられず五分粥にしてもらいましたが、ほとんど残していました。

翌朝、早速病棟での日課の体重測定ですが、あまりにもフラついていて歩けません。やむを得ず車椅子で移動しました。「あれ?私思ったより弱ってる」立てない事に驚きました。術後3日間は、吐き気に食欲低下で本当に辛かったです。食べていないのでフラフラで、体力がみるみる落ちていきました。

病院内の移動には、点滴と患部のドレーンバックに尿バックをお供に歩きます。日が経つにつれてお供の管は、減っていきました。入院中はベッド上での生活が主になるので、背中やお尻が痛くなってしまいます。クッションや抱き枕で、痛みを軽減していました。手術の傷は4箇所あり、1cm未満のものが3箇所と2cm位が1箇所です。

術後しばらくの間はガーゼでしたが、回復してくると肌色のテープを貼っていました。食欲も戻りましたが、手術前に完食していた病院食は、3分の1は残すようになっていました。担当の先生からは、手術は無事に成功したこと。手術前の検査では3cm位の腫瘍の見解だったが、実際には7cmの腫瘍だったこと。手術時に出血が多く、貧血になったが鉄剤の内服もあり回復したことの説明がありました。

術後は、血液検査や腹部超音波検査で状態の確認を時々行いました。入院前程の元気はありませんが、ゆっくりと日常生活を過ごすことができるまでに回復もしています。予定通り入院から2週間後の退院となりました。

入院中の女性

5)再び入院

【1】退院後1週間

退院は本当に嬉しかったです。快適な病院ではありましたが、やはり入院生活なので制約もあります。日常生活を送れる有難さを身にしみて感じました。好きな食べ物を好きな時に食べられる喜び、自由に過ごせることは本当に幸せなことだと実感します。退院後は、体力が落ちていてゆっくり歩くことしか出来ませんでした。その為、できるだけ外出時は友人に同行してもらいました。一緒に居てくれることで心強かったので、友人にはとても感謝しています。

【2】傷口からの「膿」

退院から4日後、入浴中に患部を洗おうとすると、一箇所から膿が出ていました。「なんで膿が出るのかな?」不思議に思いましたが、特に体調の変化はありませんでした。その翌朝です、起きたくてもなぜか具合が悪くて気合いを入れないと動けません。急に吐き気をもよおし、必死でトイレに駆け込みます。吐き気が続いていて、ふらふらしました。動く時は、必ず叫び声のような気合を入れないと動けない状態です。

38℃の熱がありました。退院時に処方されている、化膿止めの薬を飲もうと水を飲みますが、飲んだ直後に反射的に吐いてしまいます。水分を摂りたいのですが飲んだ途端に吐き出してしまいます。唯一、なぜかすりおろしたりんごだけは、飲み込めました。

その日は祝日だったのと、2日後に退院後初の外来受診の予定があったので、自宅で安静にして過ごして様子をみることにしました。翌日は、熱も下がりましたが、1日中吐いていたせいで、体力が更に落ちてしまったようでした。

「こんなに吐くなんて胃腸炎かな?体力がないのに外食して風邪でもひいたかな?」などと、自分なりに原因を考察しますが、わかる筈もありません。退院した時の元気が嘘のようでした。

【3】再入院

予定通りに退院後1週間での外来受診です。診察では、切除した腫瘍の病理結果を聞きました。やはり、腎細胞癌でした。転移もなく腫瘍は全部取りきれているそうでと聞きました。

熱は下がっていますが、相変わらずぐったりしていました。先生に2日前からの症状を伝えると、追加でレントゲン写真と再び造影でのCT検査を行いました。検査結果が出るまで、点滴を受けることになりました。ぐったりしていた私が、食欲が出るまでに回復しました。点滴って凄い!と改めて思います。

検査結果が出て、先生から「尿ろうという術後合併症です。もう一度入院しましょう。」とお話がありました。左の腎臓の腫瘍を切除した部分から、腎臓で作った尿が体内に漏れているので、左尿管にステント留置をして、尿が尿道から出るよう導く処置をします。そうだったのか!患部から膿が出る意味がわかりました。

再入院の翌日に、下半身麻酔下でステント留置をしました。全身麻酔よりは身体への負担は少ないですが、麻酔が効いている間は下半身が重い感じでした。外来で点滴をしてからは、すっかり吐き気も消えてかなり楽になっていました。ステント留置後は、再び尿バックのお世話になります。

尿に血が混ざっていますが、患部からは膿が出ることはなくなっていました。その後は、具合が悪くなることもなく回復に向かい、年末ぎりぎりに退院することができました。一回目の入院の時に説明を受けた合併症に、自分がなるとは思ってもいませんでしたが、再度説明資料を読み直して、様々な事が想定されると実感しました。

6)周囲との関わり方で感じたポイントとは?

【1】家族

手術の前に、家族が集まる機会があり、一人暮らしで兄弟も遠方にいる私は、その時に病状を伝えました。母は食生活を心配してきて、母なりのアドバイスをくれました。幾つになっても心配をかけてしまい、申し訳なく思います。手術当日と翌日は母に来てもらいましたが、母も心臓の手術をして間もなかったので、すぐに帰ってもらいました。退院後は体力が落ちますが、身の回りの事は自分自身で出来ました。

【2】仕事

健康診断を9月に受けて、病院を受診し精査をしたのも9月でした。入院は、予約待ちだった為、12月頃になると聞いていました。それまでに、仕事が落ち着くよう調整し、入院前日まで働いていました。2週間の入院予定なので、年末には職場復帰出来ると考えて、周囲にもそのように伝えていました。結局、2度の入院で2カ月の休職となり、傷病手当を受けました。

【3】病棟

同じ病棟では、泌尿器科の様々な疾患の人が入院しています。自分の病状を話たりして、励まし合いました。病気で辛いのは、私だけじゃない。もっと、辛い思いをしている人がまだまだいるんだと実感しました。

通院する女性

7)その他治療にともなうこと

【1】通院

退院後の経過は、術後1年間は3か月毎の受診でした。術後2年半を経過した現在は、半年毎の通院です。術後5年までは、このスケジュールで経過観察です。

【2】検査

術後の経過観察時の検査は、年に1回の造影剤を使った腹部CT検査と、半年毎の胸部レントゲン撮影と血液及び尿検査があります。

【3】費用

造影CT検査を含む時:10,000円程度

レントゲン・血液・尿検査のみ:3,000円程度

入院時は、事前に健康保険限度額適用認定証を申請していたので、1か月の窓口負担が自己負担限度額までで済みました。

【4】症状

はっきりした自覚症状はありませんでしたが、術後に唯一違うことがあります。お手洗い時に力んでも、左脇腹がざわざわしなくなりました。実は、手術をする約2年前から、お手洗い時に力む時は必ず左脇腹がざわつくので手で押さえていました。「変だな」とは思いますが、病院に行くほどだとは思っていませんでした。もしかすると、これが症状だったのかもしれません。

【5】薬剤治療

手術直後は、抗生剤と貧血のための鉄剤を服用しました。現在は、内服薬はありません。

【6】再発や転移

腎臓癌の場合も、他の癌と同様に再発や転移の可能性はあるようです。違う点は、5年生存率とはよく言われますが、5年に限らずたとえ何年経過しても、転移の可能性があると聞いています。

【7】保険

生命保険の契約をしていたので、癌と診断された給付金と手術・入院に伴う給付金を受け取りました。

8)心のケアと早期発見のために

【1】メンタルヘルス

自分が癌になった時のショックは大きいものです。癌を取り除き、身体が元気になっても心のダメージが残っている場合も多くあります。自分の健康への不安があり、心の葛藤を抱えています。様々な環境の違いはありますが周囲の方々へのお願いとして、暖かい目でみていただけると嬉しく思います。

【2】健康診断と検診

私は、会社の健康診断で偶然みつかりました。現在は、私と同様に健康診断などで受けた腹部超音波検査で偶然みつかる人も多いそうです。症状がなくても、面倒だと思わず健康診断や検診に行くこと、様々な検査を受けておくことの大切さを、自分のこととして感じていただけたら幸いです。この記事が、少しでも皆様のお役に立つよう願っています。

まとめ

自分は大丈夫と過信せずに、検査を受けましょう。不調に気付いたら、我慢せずに受診しましょう。治療には予定以外のこともありますが、少しずつでも前を向いていきましょう。意外と心のダメージがあるので、無理せずゆっくりと回復していきましょう。自分以外にも、実は辛い思いをしている人がいるかもしれません。暖かい気持ちで寄り添っていきましょう。

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