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8年前、私の父親が胃がんを発症しました。身内が初めてがんという病気を患ったためとても驚きました。発症から治療までの経緯、介護する側の気持ちをシェアさせて頂きます。ご家族にがん患者さんが居らっしゃる方の心の不安が少しでも取れれば幸いです。

<プロフィール情報>

【ペンネーム】にょこ

【年齢(性別)】46歳女

【出身】大分県

【職業】店舗経営

<患者プロフィール>

【治療期間】1年

【年齢(性別)】66歳(男)

【発症年齢】62歳

1)胃がんとは?発症した当時の父の生活について

【1原因が特定されているがん

胃がんは日本人にとても多い病気です。現代の日本では2人に1人が胃がんだと言われています。年間死亡者数は約5万人とも言われ、身近な病気の1つです。胃がんは、がんの中でも原因が特定されているがんです。生活習慣が大きく関係する胃がん。

私は結婚して親とは同居ではなかったため、父がどんな生活をしていたかは、がんになるまで詳しく知りませんでした。

【2】父の生活習慣・生活スタイル

発症当時、父は62歳、仕事は定年退職して自宅に居ました。
当時家族は父と母と2人暮らし、車で10分ほどの距離に娘である私が住んでいました。

父親は、私が物心ついたころからアルコール中毒でした。毎晩必ずビールを大瓶3本飲み、調子に乗った時はさらに追加していました。
仕事を55歳で早期退職し、その頃からお昼過ぎよりビールを飲む生活をしていました。

【3】発症原因

病院の先生からも言われましたが、父のがん発症原因はアルコールとタバコだと思われます。

(1)飲酒歴が長い

父は18歳から毎晩ビールを大びん3本飲んでいました。休肝日を設けるように言われても、絶対に飲み続けていました。

(2)タバコ

父は、喫煙歴も長く、飲酒と同じくらいの時期からでした。医師からは「アルコール、タバコ、どちらも災いした」と言われました。

(3)偏食が凄かった

父はお肉を食べなかったのですが、塩気の多い魚をよく食べていました。塩分の過剰摂取も大きな原因であるため、塩気の多い魚や塩分の多い漬物なども要注意です。

(4)ヘリコバクター・ピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリ菌は、50代以上の日本人の80%が保菌しています。まだ日本の衛生状況が悪かった頃に、水を媒介してピロリ菌は広がっていきました。ピロリ菌保菌者は、胃がんリスクが5.1倍に上がります。ピロリ菌の検査は受けておいて損はありません。

医者のデスクイメージ

2)初期症状と症状の進行

【1】幸い早期発見できた父

父は胃がんの初期段階で発見できました。早期発見がカギと言われますが、本当にその通りです。
胃がんの初期段階では、食欲がなくなる、腹痛などと日常生活でも起こりがちな症状しか出ないため、ほとんど病気らしい自覚症状はないようです。

父も偶然受けた健康診断のレントゲンで、胃に影があるのが見つかりました。発見時、まだステージ0期でした。

【2】代表的な症状

自覚症状もなく「本当にがんなのかな?」という感じでしたが、いくつか体に反応がありました。

(1)げっぷが増える

とてもよくげっぷをしていました。胃に慢性的な不快感があったようでした。

(2)体重が減少

少しずつ体重が減少していましたが、偏食で痩せたのか、アルコール中毒で痩せたのか判断が付きにくい状況でした。

(3)ふらつき

貧血のようなふらつきが起こっていましたが、こちらもアルコール中毒でのふらつきなのか判断がつきにくい状況でした。

アルコール中毒だった父は、55歳から毎日昼からビールを飲んでいたため、ほぼ酔っぱらっている状態でした。そのため、酔いが回ってフラフラしているのか、胃がんで弱り始めていたのか、気づきにくい状況でした。

自暴自棄になってアルコールに逃げていたところもあり、あまり周囲に体の不調は話しませんでした。そんな時、たまたま風邪で受診したかかりつけ医で健康診断を受けて、がんが発覚、その後大学病院を受診しました。

3)発症当時の対応と対処方法

【1】大学病院を紹介

かかりつけ医のレントゲンでがんが発覚したため、その後紹介状をもらい大学病院を受診しました。しかしアルコール中毒がひどい父は若干精神疾患気味で、大学病院でも対応に困っているようでした。

アルコール中毒が進行すると、若年性アルツハイマーも並行して起こってくるため、話の通じない父親に医師も困り果てていました。

【2】病院で実際に行われた検査・治療方法

早期発見の胃がんは、ほとんど完治します。胃がんは、がんの中でも生存率がぐんと上がっています。早期発見であれば、他の場所に転移もしていないため、治る確率がとても速いのです。

(1)病院の選び方

発見時から、がんであろうとほぼ確定していたため、かかりつけ医の紹介で大学病院へ行きました。

(2)検査方法

大学病院でも血液検査、X線検査、内視鏡検査と一通り検査を受けました。

(3)病院(専門医)で実際に行われた治療

父は早期であったため、内視鏡的粘膜切除の手術で対応してもらいました。胃がんの手術は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、腹腔鏡による胃局所切除術、腹腔鏡による胃切除、回復による胃切除、胃全摘があります。早期であればより小さな手術、進行してしまった胃がんには開腹後胃切除となります。

【3】特に効果を実感している治療方法

父が受けた内視鏡的粘膜切除手術は、患部の下に生理食塩水を注入して、主要部分を高周波電流で焼き切るという手術でした。医師から「がん治療は早期であれば生存率はかなり高い」と言われましたが、本当に手術後も良好で、まったくがんの再発はありませんでした。

総合病院

4)手術・通院について

胃がんの手術のなかでも、日数、金額ともに負担が少ないのが内視鏡手術です。父もあっという間に入院、手術、退院となりました。

【1】手術に際して身内がすること

様々な手術で必要になる、身近な人の同意書が必要です。また手術には必ず立会人も必要と言われました。父親の手術の時は母親が立ち会いましたが、どんなに忙しくても身内の誰かが立ち会わなければなりません。

手術自体は20~30分の短い手術だったようで、あっという間に終わったそうです。

【2】入院時の様子

父の場合、アルコール中毒による痴呆があったため、手術の夜でも徘徊しようとしました。看護師さんにはとてもご迷惑をおかけしたのを覚えています。

老人が徘徊した際にすぐナースセンターに繋がる「足元マットオリローくん」を敷かれていました。本来父のようなタイプは入院には不向きですが、精神科と外科が一緒にある総合病院だったから対応して頂けたと感じます。

【3】通院頻度・回数・通院内容

父は5日間の入院のみでした。内視鏡手術であれば日帰りで出来る手術もあります。回復までの期間も1週間と言われるため、本当に早期発見で軽い治療・手術が出来るのはありがたいと感じました。

【4】医師から言われた術後の注意

父はアルコール中毒の痴呆の方が胃がんより目立つほど、医師からも困惑されていました。とにかく体のためにアルコールをやめるように、と強く言われました。

5)治療中の生活で特に大変だったこと

【1】アルコール中毒との戦い

父のようにアルコール中毒で胃がんになる人はとても多いそうです。現代はストレス社会ですので、みんながストレスと戦いながら生きています。しかし、そのストレスで弱った胃にアルコールはかなり強い刺激になります。

胃が荒れる、ということは簡単に考えない方が良いのですが、アルコール中毒の人にはなかなかその話を受け入れてもらえないため、アルコールを減らすように説得することがとても大変でした。

【2】介護する側の心構え

身内ががんにかかった、ということを知った時、大きなショックと絶望感を味わうと思います。死も意識してしまいます。私自身も、やはり「がん=死」というイメージがありました。しかし、身内がみんなショックや絶望感にひたっていても、物事は何も進みません。「気付いた人から、出来ることをしていくこと」が大切です。

父ががんになった時は、母も取り乱してしまっていたので、誰もしっかりした人が居なくなっては困る、とまず私が情報収集を始めました。

病院に入院するにしても、身の回りのことや書類など、たくさんの準備が必要です。そして介護する側の気持ちが折れてしまっては全てが回らなくなってしまいます。

「患者の家族は第2の患者」とも言われているので、介護する側はしっかり意識を持ち、そんな時だからこそ自分のリラックスする時間を確保することも大切です。お見舞いに行く人が倒れては、本末転倒なのです。

看護師のミーティング

6)がん予防において生活習慣で特に大切だと思う3つのこと

がんの原因は日ごろの生活習慣に多く潜んでいます。特に胃がんは、食生活や生活習慣の改善で大きく予防出来るのです。

【1】食生活

胃がんになる人の背景には、必ず食生活の乱れがあります。バランスよくいろいろな品目を食べることが理想の食事ですが、特に気を付けた方が良いのは塩分の摂取量です。

厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は、男性の場合9g未満、女性の売7.5g未満とされています。ほとんどの人が塩分の摂りすぎなのが現状でしょう。塩分の摂りすぎは、胃壁を守る粘液を溶かしてしまうため、胃が無防備な状態になってしまいます。

そのため、発がん性物質が入りやすくなり、胃がんを引き起こすきっかけになるため、胃を守る食生活が大切です。

またアルコールの過剰摂取も胃が荒れる原因になります。アルコールは出来るだけ控えめにするか、週に2日は休肝日を設けるようにしましょう。
熱過ぎる食べ物や飲み物、辛すぎる食べ物などは、食道や胃に刺激が強く負担がかかります。日常的に摂取すると、胃にダメージがあるため控えめにしましょう。

【2】睡眠

ストレスをため込まないように、睡眠は十分にとる必要があります。また口呼吸は細菌やウイルスを取り込みやすくなるため、鼻呼吸で眠ることも大切です。睡眠中の口呼吸は無意識なため、改善するためには鼻腔テープなどをうまく利用して、鼻呼吸になるように促していきましょう。

【3】喫煙

タバコは百害あって一利なしと言われますが、タバコは本当にがんのリスクを高めると言われます。喫煙者に多いがんは1位が肺がん、2位が胃がんです。タバコを吸うと、胃がんだけではありませんが、がんになるリスクが非喫煙者より倍以上増加してしまいます。

タバコの有害物質は胃壁にダメージも与えるため、胃の働きも弱ってしまい、有害物質を体に取り込むことは体にとって害でしかないのです。健康のため、がん予防のためにも、禁煙に意識を向けることをオススメします。

7)検査・通院・治療費のお金の実情

【1】高額療養費制度

胃がんの治療費は、手術の方法によって違います。しかし「高額療養費制度」がありますので、治療費が高額になっても、実際に支払う額は違ってきます。

「高額療養費制度」とは、月にかかった医療費が高額の場合、上限額を超えた分は支払いが免除されるシステムです。上限額は年齢や世帯の所得によって違います。

【2】治療費

内視鏡手術の場合…5日の入院でおよそ25~30万程度

腹腔鏡下手術・定型手術の場合…10日~20日の入院で120万程度

どちらの場合も窓口負担額は上限額までとなります。しかし先進医療を受ける場合は、自己負担額は大きく変わります。先進医療はまた臨床結果が不十分なものもあるため自由診療となります。医師より説明があり、保険適用外の治療を受ける人も居ます。この場合は30万~数百万の費用がかかる場合もあります。

ドナーのイメージ

8)父と一緒に戦った闘病生活を経て感じていること

父の場合、早期発見だったため、入院日数も入院費用も少なくてすみました。がん保険にも助けられました。また生活の乱れは健康を損なうことも、父を見ていて痛感します。

当時医師から「今食べている食事が3年後の体を作る」と言われました。それだけ食生活は未来に影響していくのだと感じます。

【1】病気の発症からその後

父は胃がん手術後、5年経過して別の病気で亡くなりました。胃がん自体は完治に向かいましたが、それまでのアルコール中毒の症状が災いして、若年性アルツハイマーとなり、さらに筋萎縮症になり亡くなりました。

アルコールの過剰摂取は、体にとって毒になります。アルコール中毒になると、肝機能が低下してアルコールを分解できなくなるため、体内に有毒物質が停滞してしまいます。そのため体には発見できにくいダメージも積み重なっていったのでした。

【2】闘病生活を振り返って

父ががんになったことで、私はより一層食生活に気を付けるようになりました。また喫煙・飲酒は、体にとってのダメージが年齢を重ねるごとに大きくなっていきます。もし大切なご家族が、喫煙・飲酒が長く習慣になっているのならば一刻も早く改善することをオススメします。

【3】がんのご家族を介護されている同じ悩みを持つ方へ

胃がんは、定期検診などで発見できれば、完治率、生存率ともに高くなります。がんはステージで分かれており、0期~Ⅳ期まで分かれています。ステージ0期であればほぼ助かる状態であり、Ⅰ期では90%の確立で助かると言われています。それ以降はどんどん確率が低下していくためがんが進行するまでに見つけていくことが大きなカギです。

身内にがん患者さんが居るということは、本人も介護する側もつらいことです。しかし、自分自身もその遺伝子要素があるということも意識して健康により一層気を付けなければなりません。私も、父の手術を担当した医師から「お子さんも十分に生活習慣に気を付けて生活してください」と説明を受けました。

まとめ

身内や家族ががんになった時、たくさんの不安が一気に襲ってくる感覚になります。なかなかその事実を受け入れたくない、という人も多いでしょう。まず状況を把握し、できることから1つずつ行動していきましょう。

一人でぜんぶ介護や面倒をみなくては」と頑張りすぎないようにしてください。我慢もしすぎないでください。そして自分自身の日常生活を、出来るだけ通常通り維持するように意識してください。それだけで大きく体内リズムが崩れるのを防ぐことが出来ます。介護する側は、より一層自分自身を癒して、いたわるようにしてください。

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